
「AIは、ただ質問に答えるだけでいいのだろうか?」
会議が終わった瞬間に押し寄せる、散らばった論点の整理、社内テンプレートへの落とし込み、関係者への共有、そしてフォローアップの細かな段取り。私たちが日々多くの時間を費やしているのは、会話そのものではなく、会話の後に発生する「細かな手作業」だ。
2026年10月某日、都内で開催された「PLAUD新製品&最新AI機能体験発表会」。フラッシュが焚かれる会場で提示されたのは、単なるガジェットの刷新にとどまらない、ワークスタイルそのものの再定義だった。会話をただ保存する「記録器」から、業務を最後まで動かす「やり遂げるAI」へ――。新ウェアラブル「Plaud One」と「Plaud Note Pro Flow Edition」、そして中枢を担う「プラウドインテリジェンス」が描く、音声AIデバイスの次なる地平を読み解く。
本記事は筆者が実際に発表会で得た情報を赤裸々に述べる。また、他にない情報として、発表会後の個別Q&Aの内容も包み隠さず載せるので、気になる方は是非最後まで確認してほしい。
▼この記事のまとめ▼

\ AI録音から、その後のタスク処理までおまかせ! /
事業成長と個人・法人の販売戦略
グローバル利用者数

Plaudのユーザー数は300万人を突破した。100万人から200万人までは約9カ月を要した一方、200万人から300万人までは5カ月だった。鈴木は、会話を記録しAIに活かす体験が一部の先進的な利用者だけでなく、仕事の当たり前になりつつある証しだと述べた。
国内の販売基盤

日本のコンシューマー市場では、家電量販店や専門店を中心に展開店舗数が1,000店を突破した。実機を手に取り、納得して選べる場所が全国に広がっているという。
AIアプリの収益順位

米アンドリーセン・ホロウィッツが発表した、月間売上で見るコンシューマーAIアプリのトップ50で、Plaudは16位だった。鈴木は、ソフトウェア中心の企業が並ぶ中で、ハードウェア、ソフトウェア、AIを一体で提供するPlaudが主要アプリと並ぶ位置に来たと述べた。
従来機能からの進化
現在は録音、文字起こし、要約、AskPlaudによる質問応答を提供している。今後は、会話の文脈と利用者の意図を捉え、仕事を進めるPlaud Intelligenceへ移行する。
販売方針

個人向けと法人向けの二つの販売経路を並行して拡大する。個人向けは直販サイト、Amazon、楽天市場の公式ストア、店頭販売を軸とする。法人向けはPlaud Teamからエンタープライズへ広げ、販売パートナーとの協業で自社だけでは届きにくい企業や業界にも展開する。
Plaud One — 会話から仕事を進めるウェアラブルAI

Plaud Oneは「話すだけでミッション完了。AIに話しかける。それだけで仕事が変わる」を掲げる新カテゴリーの製品である。鈴木は、人とAIをつなぐ自然なインターフェースだと位置付けた。
構成と録音範囲

イヤホンとケースで構成する。イヤホンはオンライン会議と通話を記録する。ケースは対面会議など周囲の会話を最大5メートルの距離まで記録する。
通信機能
eSIMを内蔵し、スマートフォンがなくてもAIに接続できる。4G LTEに対応し、キャリア設定や追加契約は不要とした。80カ国・地域以上で利用できるとしている。録音データは自動でアップロードされ、文字起こしと要約を生成する。

ケース側のエージェント操作
ケースのエージェントボタンを長押しして話しかける。たとえば「今日の会議をまとめてチーム向けのフォローアップを作成」と依頼すると、エージェントがその日の複数の会話を確認し、決定事項や退場事項を整理する。内容は利用者の確認後に送信できる。
イヤホン側のエージェント操作

「Hey Plaud」で起動する。次の会議についてブリーフィングを依頼すると、過去の通話や記録から関連情報を集め、イヤホンで読み上げる。画面を見ず、手を使わずに会議準備を進める用途を示した。
装着性と応答
イヤホンは耳掛け型で、一日中快適に着用できるとしている。ケースは会話終了後に文字起こしへアップロードし、長押しでエージェントにアクセスできる。応答は内蔵スピーカーから再生する。
価格と販売時期

日本では年内に販売する。2026年10月21日19時から公式サイトで事前登録を始め、価格は税込44,000円とした。数量限定での販売を予定する。
Plaud Note Pro Flow Edition — 録音後の作業を減らす新モデル

Plaud Note ProはPlaud Note Pro Flow Editionへ更新する。従来の薄型設計とプロの現場に応える録音性能を保ち、録音からノート完成までをシームレスにつなぐことを狙う。
録音性能

AI指向性技術を搭載する。SN比 68dBのスーパーマイクを4基搭載し、騒がしい部屋や賑やかな打ち合わせでもクリアに録音できると説明した。
自動転送の流れ

録音停止後、データはローカルストレージへ転送される。スマートフォンが近くにあることを検知すると、バックグラウンドでPlaudアプリへ録音データを送る。アプリ到着時に文字起こしと要約を自動実行するため、利用者はアプリを開いたり転送ボタンを押したりせずに済む。
Flowの狙い
会議を終えて立ち去り、デスクへ戻る頃には要約ができている流れを目指す。鈴木は、録音後の手間をなくす体験が製品名の由来だと説明した。
販売開始と価格

2026年10月29日から公式サイトと販売店を含む全ルートで販売を始める。価格は税込29,700円とした。なお、前機種Plaud Note Proで早く試したい方は以下から確認可能である。
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ソフトウェアアップデート:Plaud Intelligence — 会話の記録からタスク実行へ

加納智之氏によると、Plaud Intelligenceは「人とAIをつなぐプラットフォーム」とのこと。会話を録音・要約するだけでなく、会話の文脈を把握し、成果物の作成や共有まで進めるAIを目指す。

案件・プロジェクト単位で情報を集約

従来は録音ファイルがフォルダーに積み上がる形だった。新しいUIでは、録音、文字起こし、要約、資料、ワークフローを、案件やプロジェクトごとにまとめて保存する。
会話の記録に加え、資料の写真やホワイトボードの図面も保存できる。商談など関連するトピックごとに情報を集約し、その内容を基にAIが作業を進める構成である。
Plaud Agentによる資料作成と外部連携

自然言語で「この商談をもとに提案資料を作成してください」と依頼すると、Plaud AgentがPowerPointの構成を考え、会話内の案件、見積もり、次のアクションなどを含む資料を作るとしている。
外部サービスとの連携

カレンダー、メモ、Notion、Slack、メールとの連携機能を用意した。会話後に生じる資料を他アプリと連携して共有し、担当者へのDMやメール送信まで進める機能を示した。
仕事の段取りを保存
会社ごとの記録テンプレート、共有先、保存先フォルダーなどを記載してPlaudに覚えさせる。これを「ルーティン」として自動実行できる。

定時・会議後の自動処理
毎朝9時に当日の商談準備を行う設定や、社内会議後に指定した参加者へ送る設定が可能という。自然言語で自動アクションを設定すると、アプリ内で繰り返し実行する。
利用者ごとの最適化

利用者自身の属性、話す相手、資料の作り方などをメモリとして記載できる。使うほどPlaudが利用者の文脈を覚え、業務に合わせて最適化されるとしている。

加納氏は、自身も約2カ月にわたりPlaud IntelligenceとPlaud Oneを使ったと述べた。会議に集中しながら、会議後の連絡や資料作成をPlaud Intelligenceに任せられると説明した。Plaud Intelligenceは後日、順次展開する予定である。
新サービス Plaud Team — 組織の知識を管理・共有する法人向けサービス

日本国内でPlaudを利用する企業は16,000社を突破した。個人利用からチーム、部署、会社単位の導入へ広がっており、小規模な複数人利用から数百人・数千人規模の活用まであるという。
チーム単位の管理と知識共有

Plaud Teamは、複数の利用者を組織単位で管理するプランである。組織と利用者を一元管理し、ワークスペースに蓄積する情報を法人の資産として所有・活用することを掲げる。
- マイファイルとチームファイル:個人の録音や情報はマイファイルで管理し、チーム参加後も自動共有されない。共有したい情報だけをチームファイルへ移せる。
- 案件別の共有:営業会議、工事部の会議、経営会議などをトピック別にまとめ、他の利用者と共有できる。個人が参加した商談の経緯を、会社のテンプレートに沿った商談記録として共有する用途を示した。
- 会社単位のスキル活用:メール送信や商談フォローアップなどのエージェント機能を、会社ごとのスキルとしてまとめられる。営業チーム全体で商談記録を共有することも可能とした。

- 組織知の蓄積:個人にとどまっていた情報を会社単位で記録し、プロジェクトの状況を共有する。社内ツールを使ってタスクを実行し、会社としての知見を蓄積する構想を示した。
セキュリティとデータの扱い

Plaud Teamは、メンバーとデバイスの一元管理、エンタープライズレベルのセキュリティ、APIによる社内システム連携を掲げる。
管理者がいても個人ファイルは閲覧できず、利用者が共有エリアへ移した内容だけが共有される。SSOの統一や、Plaud側のデータセンターから法人側のデータセンターへのAPI経由のデータ連携にも一部対応する。
データの交換はすべて日本国内で行う。Plaud側が利用者データを用いてAIを学習することはないと説明した。
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個別Q&A
まだまだ不明点も多かったため、製品発表会終了後に個人的に加納氏・および、担当者に対しQ&Aを実施した。本章にはその内容を示す。
▼Q&Aサマリ▼

国内販売台数はいくつか?
私: 今回限定販売という話ですが、海外だとアメリカで2000台限定のような話があったと思います。国内だと何台ぐらいになるのでしょうか。また、eSIM対応のケースについてですが、eSIM自体の月額費用は全くかからないのでしょうか。
加納氏: 販売台数につきましては、まだお伝えすることができず申し訳ありません。
eSIMの月額費用はいくらか?
私: eSIM対応のケースについてですが、eSIM自体の月額費用は全くかからないのでしょうか。
加納氏: eSIMの費用に関しては全くかかりません。契約する必要性もなく内蔵されているものなので、世界80カ国で通信に対応しております。
他のAIイヤホンとの差別化ポイントは何か?
私: 他のAIイヤホンとの一番の差別化ポイントはeSIMになるのでしょうか。 他のAIイヤホンとの差別化は、主にシステム面の違いということでしょうか。
担当者: ハード面での差別化ポイントはケースのeSIMが主要な差別化ポイントです。システム面は弊社の強みとして、eSIMがあるからこそエージェント機能と連携してハンズフリーで様々な操作が行える点と、シームレスなタスク処理機能にあります。
eSIMの通信キャリアはどこか?
私: 日本で利用するキャリアがどこであるかについては公開されるのでしょうか。
加納氏: キャリアに関しましては、現時点で私が詳しく把握していないため申し上げるのが難しい状況です。
イヤホンでの録音にケースまたはスマホが近くに必要か?
私: イヤホンでも録音ができるとのことですが、イヤホンとケースの連携はどのようになっていますか。録音した後は直接Bluetoothでイヤホンからスマートフォンへデータが送られる形になるのでしょうか。ケースとイヤホンは特につながっていないということですか。
加納氏: デバイス上にもメモリがございます。また、イヤホンを装着して通話している際に録音を行えば、電話などを通じた音声を録音することや、口頭で話した内容を記録することが可能です。録音自体は行えますので、ケースが近くになければ録音できないということはございません。詳しい仕様については担当者からご説明いたします。
私: スマートフォンを持たずにケースとイヤホンのみを持って会議に行った場合でも問題ないでしょうか。
加納氏: 基本的にこちらで録音したものはデバイス上に保存されますので、スマートフォンがその場になくても録音可能です。
私: 「Hey PLAUD」などの機能はスマートフォンがないと使えないのか、ケースのみで機能するのでしょうか。イヤホン単体ではeSIMが付いていませんが、スマートフォンが必要になりますか。「Hey PLAUD」は近くにケースなどがなくても作動しますでしょうか。
担当者: イヤホンで聞き取る形になります。ケース側はエージェントモードとして動作します。イヤホン単体ではスマートフォンなどに何も接続されていない状態ですと「Hey PLAUD」は作動しません。
私: スマートフォンが近くに必要ということですね。ケースだけがあっても動作しないのでしょうか。会議室にケースとイヤホンのみを持ち込み、ケース側はeSIMに接続されている状態で、イヤホンから「Hey PLAUD」と呼びかけた場合は動作しますか。
担当者: ケースはケース単体でeSIMの通信とエージェントモードがあり、スピーカーから音を出します。イヤホンはマイクで音を取り込みますので、それぞれ別々になっています。そのため、イヤホンで「Hey PLAUD」を使うためにはスマートフォンが必要となります。
Android版の端末を探す機能について?
私: Androidの「端末を探す」機能への対応が「後日対応」のままとなっていますが、進捗はいかがでしょうか。
担当者: iPhoneの「探す(Find My)」には対応しておりますが、Android版については現状お約束できない状態で、未定(TBA)となっております。
無料要約枠の時間は?
私: 無料の要約枠については、現状のプランから変更なく300分無料のまま継続されるのでしょうか。
担当者: 要約枠については従来のプランから変わりません。
リアルタイム翻訳機能はあるか?
私: 会議中に相手が話す英語の音声をイヤホン側でリアルタイムに翻訳してくれる機能はありますか。
担当者: イヤホン単体でのリアルタイム翻訳機能は備わっておりません。ただし、ケース本体のエージェントにより、翻訳させてケースのスピーカーから翻訳内容を話させることが可能です。(その後実演)
Q&A要約
今回のインタビューでは、新製品のAIイヤホンおよび対応ケースの仕様や機能性、他社製品との差別化ポイントについて質疑応答が行われました。
主な内容は以下の通りです。
- 販売台数と通信仕様: 国内の限定販売台数については後続の会議で発表予定とされました。ケースに内蔵されたeSIMは月額費用不要で世界80カ国での通信に対応し、オフラインや通信環境が悪い場所でも柔軟に利用可能です。
- 録音および連携機能: イヤホンやケース単体での録音データはデバイス本体のメモリに保存されるため、スマートフォンが手元にない状態でも録音自体は可能です。ただし、「Hey PLAUD」などの音声アシスタント機能をイヤホンから利用する際は、スマートフォンとの接続が必要となります。
- 機能アップデートと翻訳: Android向けの端末探索機能については現状未定となっています。要約機能の無料枠(月300分)は維持されます。翻訳機能に関しては、システムやエージェント機能との連携を通じて通訳・翻訳の対応が可能です。
- 競合との差別化: ハードウェア面における最大の特徴はケースへのeSIM内蔵であり、ソフトウェア面ではエージェント機能を活用したハンズフリー操作やシームレスな議事録作成機能が大きな差別化要素となっています。

発表会後は、関係者によるフォトセッションを実施した。会場ではPlaud製品を展示し、個別取材、撮影、製品体験、交流の時間を設けた。







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